H ハープ分野別
VARIOUS HARPS

H13 音楽療法とハープ

Music medical therapy with Harp

最近多く使われるようになった言葉で音楽療法があります。

私が音楽療法に興味を持った頃にはそのような言葉は確立していなかったような気がしますが、ドイツやアメリカの楽器を作っている人達は楽器や音楽が持つヒーリング効果について随分意識していました。

 


そして、「森林浴に行くと森の音がする。海に行くと海の音がする。」そこには、「人間が気持ちよくなる音がたくさん含まれている」と言われたことがあります。

その頃に丁度廃刊に追い込まれた科学雑誌「クオーク」で、人間の気持ちよくなる周波数の話やアルファー波を出す実験などの記事があり、音が体に及ぼす影響について随分調べた覚えがあります。

 


少し専門的な用語が入ってしまうのですが、一応大きくまとめると以下のようです。

人間の体に影響を及ぼす周波数帯は少なくとも3バンドはあり、人によって個人差があります。さらに、男女、や大人子供によっても若干の違いがあります。

ヒーリング効果のあるかもしれない周波数
1 60Hz以下

これは、よくバイブレータで使われマッサージ効果に役立つ周波数です。お風呂の水のジェットのポンプや、肩こりのマッサージにも使います。

スピーカーをつなぐと重低音が・・・・・といった音程です。

2 100Hz以上300Hz特に200Hzぐらいまで 人間の聞きやすい音程です。バンドパスフィルターを使ってこの周波数だけの音程を取り出して、その人の好きな?音を探す事ができるそうです。
3 15000Hz以上の微弱な振動 人間の可聴範囲ぎりぎりの周波数で、よくアルファー波が出る音楽のCDに入れられています。自然音にはたくさん含まれていると言います。
 

 

また、人の体には微妙な電気が流れているようにサイクルがあり、それが外で流れた周波数と同調したり、影響を受けたりします。

例えば、段々早く段々大きな音を聞かせることによって人の脈は上がっていきますし、不協和音を長く聞かせていると暗い気持ちになってきます。

 


古いSFの映画などを見ると、音を流すと皆んな耳を押さえて倒れていくような場面がありますが、音は単なる空気の振動ですが、音量を上げたり長時間強い音を聞かせると実際に体に悪い影響を及ぼします。

もちろん、それと反対の良い影響を与える効果が音楽療法の基本です。

 


温泉療法や、指圧など、健康に良いとされているものに多いのは血行を良くすることで、自然治癒力が増して体のトラブルが多く治ることがわかっています。

音楽で、呼吸を整えて、深呼吸のように酸素を血液中に多く取り込んだり、振動によって血行をよくすることは当然、「体に良い効果をもたらす」というのが音楽療法の1つの基本です。

 


1つの基本と書いたのは、2つ目があるからです。

音を聞くだけでも良い効果をもたらすこともありますが、楽器を持つとさらに体に振動を与える効果に加え、指などを使うことにより、さらに抹消神経を刺激したり、血行の促進を促します。手にはいろいろとツボがあり、それが刺激されるということと同じかもしれません。

 


中国では金属製の球を2つ手のひらでクルクル廻す健身ボールがあったり(アメリカでもグリフィンエッグという名前で売られています。)、オルゴールボールハーモニーボールまたはケルティックボール)のように手の上を転がして、時折手で振ってその音を聞いたりするようなヒーリングアイテムがあります。

オルゴールボールは日本でも購入することができます。

そのようなアイテムは世界中には無数にあり、どれも効果があるとは言えませんが、指や手を使い音を出すという事は、非常に人間にとって良いことなのかもしれません。

 


それと同じことがハープにも言えます。

ハープの要素をまとめると以下のようになるでしょう。

ハープによる音楽療法の要素
1音により癒される

ハープの音は聞きやすい音程、耳障りではない音色と、余韻のある減衰音は人を癒す効果があるといえるでしょう。これはオルゴールと同じです。

2 指で触る、音を出す。 ハープは指で触れるだけでも音が鳴りますから、誰でも簡単に音を出すことができ、障害のある方でも指を使うこと、もしくはその代わりになる部分を動かすということがリハビリになるといえるでしょう。
3 体に振動を伝える もちろん、耳への刺激は当然ですが、オートハープライアーハープ、小型のケルティックハープアイリッシュハープ)等のラップハープは直接、体に振動を与えます。
 

 


基本的には、紀元前からあったハープという楽器は呪術などにも使われたり古代から神聖な楽器だったこともあり、その音を聞くことによりヒーリング(癒す)という効果を古代の人も自然と知っていたのかもしれません。

調べていくと、古代のハープの弦長や太さなどから考えると、現代のハープのように音域は広く無く、しかもだいたい同じような音域にあるものが好まれたように思われます。その周波数帯は、上記の3バンドの2バンド目を含む100Hzから300Hz前後でありさほど高い音程でも低い音程でもありません。

さらに、古いケルティックボールなども類似した周波数帯を持っていることなど幾つか共通する点があります。

 

 

 

ハープとチター HOME