H ハープ
HARP

H3 アルパ

Arpa ( Paraguayan harp)

アルパとは中南米のハープ全般を呼びます。

と言っても日本だけに限ることで、本来アルパはスペイン語やイタリア語でハープのことなので、国によっては全てのハープをアルパと呼びます。

従って、アメリカの知り合いにアルパと言っても通じずに、パラグアイアンハープと言ったら通じました。

さらにラテンハープとも呼ばれます。


アルパを代表するハープとしてパラグアイハープが有名ですが、各国ごとに少しづつ違ったアルパがあります。

と言っても、メキシカンハープぐらいしかみたことがありませんが、さほど差があるようには見えませんでした。

しかしながら形状や、演奏方法では若干の差があるようです。

また別名インディアンハープとも呼ばれるようです。


特に弦の数やチューニングにはいろいろとあり、パラグアイハープだけをとっても標準37弦前後から始まって、43弦、また、ダブルストラングにして74弦などというアルパもあるようです。

さらに、弦のカラーコードもグランドハープと同じCが赤でFが青の時もありますが、少なくとも2種類の別な張り方のアルパが確認されています。(Fが赤でBbが青)(Fが赤でCが青)※

アルパは歴史的にみると比較的新しい楽器のために、糸巻き部分がメカニカルなペグを使っているものが主流です。(中には例外があり)

従ってチューニングも道具を使わずに楽に出来ます。


見た目のフォルムはアイリッシュハープよりもグランドハープに近く、豪華な彫刻などを施されたアルパは高級感もあります。

基本的にはペダルもレバーもなくグランドハープよりは小さく、アイリッシュハープより少し大きくと言った感じです。


アルパの場合には、半音を出すために以下のような方法があるようです。

1

いろいろな曲を弾くためにシャープレバー(シャーピングレバー)を付けたアルパ

アイリッシュハープなどと機構はほぼ同じ(または全く同じ)で最近増えているようです。

アルパの場合には、本来シャープレバーを標準でつける構造にはなっていないために、後付けは改造もしくは不可能という事になります。

従って最初から付いているものを購入することになります。(その際に当然重量は重くなります。)

 

追記:後付けができるタイプもあるようです。

2 弦をボディ(胴)に止めるエンドピンと並んでいる突起(スタッド=semitone=セミトノ)に弦を押さえつけて半音上げた状態で弾く
3

片手にはめたジャベ(=llave)で弦を押さえ込んで半音上げた状態で弾く

ただ、私の知っている限りでは、なぜか、あまり海外でジャベを使っていると言うのを聞きません。


アルパの特徴の一つとして、重さがあげられます。大きさの割には軽く片手で簡単に持ち運びができるぐらいの重さで、チター系の小型のハープの方が重いぐらいです。(エレキギターをハードケースで運んでいる人の方が、アルパをソフトケースで運んでいる人よりも重いのではないでしょうか?)

背板などを3mmから5mmぐらいの薄い板で作っているためにこの軽さはあるようです。もちろんサウンドボードも薄いです。


アルパアイリッシュハープよりも強い?音がして(爪で弾くので)、明るくアップテンポの曲などはまさに南米の雰囲気そのものです。

実際に聞くと、音量も倍に近いぐらい大きな音で演奏されます。

また、演奏方法もメロディをオクターブでユニゾンしたり、他のハープではない強いトレモロなど非常に個性があります。

アイリッシュハープがおしとやかでゆっくりとしたフォークが似合うのに対して、アルパはまさに正反対のにぎやかでハイテンポの明るい曲が似合います。

 

また、現地ではアルパ奏者は男性の方がかなりの割合で多く、CDなどを探しても女性の演奏よりは男性の演奏のものの方が入手が容易です。


余談ですがギターなどで使われる「アルペジオ」という言葉の語源はイタリアで「ハープのように」という意味らしいです。(arp-e-ggio)ということはarpはアルパのアルでしょうか?

 

ここでは中南米のハープについてをまとめて書きましたが厳密に言うとかなり種類があり、上記の説明に該当しないものもあります。

また、用語もかなりいろいろな呼ばれ方をしているようです。

 アルパの奏法についてはこちらを参考にして下さい。

弓型ハープのチューニングについて

あなたはこのハープをどの名称で呼びますか?名称ランキングはこちら

ラテンハープ
パラグアイハープ
アルパ
パラグアイアンハープ
インディアンハープ

 

 

アルパ(インディアンハープ) 参考資料

標準的な弦の数:36から38弦

チューニング:ダイアトニック
弦のカラーコード:はCが赤でFが青の時もありますが、他に(Fが赤でBbが青)(Fが赤でCが青)もあります。※
サイズ:50インチ(約127センチ)
(シャープレバーがついているものも中にはあります。)
重量:標準的なもので約12ポンド(約5.44キロ)  レバーをもつものは約16ポンド(約7.26キロ)
 
機種により違いがあります。

 

アルパ(インディアンハープ) 音階表

アルパ パラグアイハープの36弦の場合

音階 Bb C D E F G A Bb C D E F G A Bb C D E F G A Bb
オクターブ 1
2
3
4

 

音階 C D E F G A Bb C D E F G A Bb
オクターブ
5
6

(カラーコードは比較的標準と思われるFが赤でCが青にしてあります。)

アルパ パラグアイハープの37弦の場合

音階 Bb C D E F G A Bb C D E F G A Bb C D E F G A Bb
オクターブ 1
2
3
4

 

音階 C D E F G A Bb C D E F G A Bb C
オクターブ
5
6
7

(カラーコードは比較的標準と思われるFが赤でCが青にしてあります。)※

アルパ パラグアイハープの38弦の場合には上記の低音が増えるものと高音が増えるものがあるようです。

以上のデータはパラグアイハープの資料をもとにしておりますが、他の国産のアルパ、または、アンティーク市場で流れているアルパは弦の配置や重さが違うものもあります。さらに最近ではヨーロッパでもアルパの生産がされており、まだこれから将来に向けて変化していくハープなのかもしれません。

※アルパのカラーコードは、階名により呼ばれ方が変わります。

注意:オクターブの数字は便宜上振ったもので、弦を購入の際には、弦番号などをご確認ください。

 

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