自動演奏楽器
Musical Automatic Player

自動演奏楽器 (自動楽器=自動演奏装置

Mechanical Music Instruments

 

自動演奏楽器とはメカニカルミュージックインストゥルメントのことですが、オートマチックプレイヤー、ミュージックプレイヤー、自動楽器、自動演奏装置、自動演奏器などといろいろな呼び方があります。このホームページではほとんどの場合には自動演奏楽器と呼ぶようにしています。

文字通り楽器に自動演奏させるための装置を取りつけた単純なものから、楽器自体を全て設計した物までいろいろあります。

過去に作られた自動演奏楽器は挙げれば切りが無いほどあります。

最近ではコンピュータが発達して、自動演奏は非常に簡単に行なえるようになりましたが、楽器自体をいかに上手く自動演奏するかについての研究は18世紀から20世紀にかけて多くの人の手によって手がけられました。

今ではシンセサイザーやシーケンサーにより家庭で簡単に自動演奏をさせることができますが、それにはない生の演奏が聞ける自動演奏楽器は格別です。

  自動演奏楽器 シンセサイザーやシーケンサー(自動演奏装置)
価格 高価 安価
音、音色 生の演奏のために使っている生の楽器により音の良さが決まってしまいます。

自由にコントロールできますが、ある程度操作が必要です。音色の制御をかなりしない限り生の音ではないことがわかってしまうでしょう。

速度表現

速度可変装置のついたものは速度を変えることができます。

スプリングモーターを使ったものの場合には、その巻き具合により多少変化します。さらに、バタフライ(エアブレーキ)を調整することにより、速度を変えることが可能。

手回しオルガンなどは、ハンドルの回すスピードを変化させれば、そのときに雰囲気や、歌などに合わせての演奏も可能。

ほとんど無限に変化できます。途中で速度を変更するには、変更する信号を入れてあげる必要があります。
演奏曲

ほとんどの場合には、1曲1曲にお金がかかり、しかも交換の作業がかかるものが多くあります。

高価なものでは、オートチェンジャーや複数の曲を連続して演奏する機能があります。

1曲1曲の単価は非常に安く、しかもMIDIなどの標準規格もあり無理をすれば好きな曲の入手は簡単です。

また、曲のチェンジや演奏の順番を決めるなども機種によっては容易にできます。

操作 音楽的知識が全く無くても扱えます。 多少扱うには知識が必要です。
特徴

興味のない人にとっては、メリットは「電気代がかからない。」「生の演奏。」ぐらいしかないかもしれません。

でも、そのメカニカルな装置自体から奏でられる演奏の素晴らしさやインパクトは現代のシンセサイザーやシーケンサーでは得られません。

さらに100年前に作られたミュージックロールでも使え、当時の人々が聞いていた演奏と全く同じ自動演奏が今でも聞くことができます。

「非常に手軽に安価で演奏が聞ける」、これ以上のメリットを上げる必要はないぐらいです。

しかもメンテナンスも必要ないですし、小さな装置が1台でもオーケストラの演奏も可能です。

安価で高度な自動演奏ができる機能がついたキーボードが普及してきました。

 

どんな楽器でも、自動演奏させて見たいという人はいつの時代にもいるものです。

そして、いろいろな楽器を自動化させる事に成功した人も多くいます。

ただ、それを量産して売っていた時代があったことを知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?

 

例えばリード楽器で言えば、ハーモニカ、アコーディオン、オルガン、これらは全てありました。

その機構から考えて、空気を送るだけで音が出るわけですから非常に簡単に作れます。

 

その他に弦楽器であれば、チター、ハープ、ギター、バイオリン、バンジョー、などなど

もちろん自動演奏ピアノもそうですし、自動演奏化をしていない楽器を探すほうが難しいぐらいです。

 

さらに、複数の楽器を組み合わせたニコロデオンやオーケストリオンなども販売されていました。これらは高価でしたが、バーなどでコインを入れて営業ができる今で言う自動販売機の自動楽器です。

これらの自動演奏をする楽器は、当時のヒット商品であったものもは何万台から何十万台の生産をしたものもありますが、その多くは、ほんの少数だけ生産され、すぐに消えていきました。

これらは、主に1800年台後半から1900年代初期に集中しており、まさに自動演奏楽器の黄金時代でした。

 

 

 

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